秋らしくなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
日頃は「感性教育講座」「感性教育臨床講座」などに関心をお寄せいただきありがとうございます。
ちょうど1年前にアラン・ショア著『右脳精神療法』を翻訳しましたが、この本だけではショアの考える調整理論と右脳精神療法の核心を掴み取るのは容易なことではないことがわかりました。その後1年間を通して過去に発刊されたショアの著書6冊すべてを精読することによって、ショアがなぜ「関係」と「情動」に焦点を当てた精神療法の重要性を主張しているのか、やっとわかるようになりました。ショアの主張は「感性教育」が目指しているものと重なり合うところが多く、ぜひとも皆様にもショアの主張の核心を掴んでいただきたく、今回「アラン・ショア入門講座—感情調整と右脳精神療法—」を実施する運びとなりましたので、ご案内申し上げる次第です。
年末になり、なにかとお忙しい時期とは存じますが、「学びの秋」にふさわしいこの時期にアラン・ショアの主張を皆様とともに学び合いたいと願っております。
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講座名:アラン・ショア入門講座—感情調整と右脳精神療法—
【本講座のねらいと内容】
ショアの主張の根幹には「人間の初期発達を理解することは、科学の基本的な目的の一つである」こと、そして「この時期の体験を通して獲得された(あるいは、されなかった)脳の構造と心の機能は、生涯発達を通して、その雛形として働き続けること」、さらには「この時期の体験でとりわけ重要であるのは、主たる養育者との情動的な繫がりである」ことから、人間の生誕後の1年半の親子関係の体験を重視しています。そこでの親子の「関係」、とりわけ「情動を通した繫がり」の質が初期の脳の成熟過程を左右し、その成否がのちの多様な精神病理発生に繋がると主張しています。私はショアの主張を理解していく中で、生後1年半の親子関係を見ていく際に「甘え」の観点が極めて重要であることを確信するとともに、「右脳精神療法」にはその視点が欠けていることが、ショアの精神療法の理解を難しくしていると考えるようになりました。
そこで、本講座では以下の要領でアラン・ショアの主張を解説していくとともに、「甘え」の観点からみた「右脳精神療法」の意義を考えていきたいと思います。
第1回:対人関係神経生物学を基盤とする人間の初期発達(とりわけ生後1年半を中心に)
第2回:初期発達における親子間の情動的(無意識的)コミュニケーションの特性
第3回:「右脳精神療法」における治療的機序
第4回:「甘え」の観点からみた「右脳精神療法」の意義、総合討論
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日時:11月、12月の第1日曜日と第3日曜日午後7時〜9時
具体的には、第1回 2023年11月05日(日)、第2回 11月19日(日)、第3回 12月03日(日)、第4回 12月17日(日) いずれも19:00-21:00の2時間
(なお、当日参加が困難な方のために、当日講座内容を録画の上、1週間後の日曜日同時間帯に再放送いたしますので、ご活用ください。再放送の日時は以下の通りです。ただし、第4回の再放送日のみ12月23日(土)19:00実施となりますので、ご注意下さい。)
開催方法:参加型 Zoom会議形式
参加費:1万円(参加回数に関わらず一律1万円)
応募人数:30名程度(最小実施人数5名)
申込締切:2023年10月29日(日)
申込方法:下記URLからお入りください。該当項目に記載の上、返信してください。その際【自動返信メール】で参加費の振込方法をお知らせします。
参加申込フォーム https://forms.gle/KLE96Uk8S7QJGg5A9
*講座用の資料(自家版)については、参加費振込確認後、参加者の皆様にメールに添付して送信します。