アラン・ショア著、小林隆児訳『精神療法という治療技術の科学』が出版されました

アラン・ショア自身が治療論について詳細に論じている4冊目の”The Science of the Art of Psychotherapy”を邦訳し、邦題『精神療法という治療技術の科学』(遠見書房、2025)として出版しました。これまで「関係」と「情動(甘え)」に焦点を当てた精神療法を志向してきた私はアラン・ショアの仕事との出会いで大きな勇気をもらいました。私の臨床への力強い応援歌のように心に響いたのです。そこで”Right Brain Psychotherapy”(Norton, 2019)の邦訳『右脳精神療法』(岩崎学術出版社、2022)に挑戦したのですが、アラン・ショアの仕事は奥が深く、彼の理論と臨床をしっかりと理解するためには、彼の全著書を精読する必要性に駆られました。そうした作業を通して書き下ろしたのが『アラン・ショア入門』(岩崎学術出版社、2024)でした。その後、アラン・ショアの治療論をしっかりと理解するためには、私の解説のみでなく、彼自身が治療論について詳細に論じている4冊目の”The Science of the Art of Psychotherapy”(Norton, 2012)を邦訳して紹介する必要性を強く感じました。そこで『アラン・ショア入門』の後、すぐにその作業に取り掛かったのですが、なにしろ大部の著書(活字が小さい上に458頁、ちなみに”Right Brain Psychotherapy”は活字が大きくて356頁)のため訳業に骨を折りましたが、この度、出版できる運びとなりました。訳本も大部(573頁)ですが、アラン・ショア理解の読者への手助けになればとの思いから本書に「アラン・ショア著作用語集(全19頁)」(一部のみ紹介)を付けています。なお、遠見書房のHPに入ると本書の試し読み(主に解題と目次)ができます。

  • お知らせ